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養育費の支払い,子供との面会について解説します

離婚する前に知っておきたいこと②と書いてあります。
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前回は,離婚する前に知っておきたいこととして,離婚協議書のこと,養育費とは,について解説しました。

今回の記事では、離婚する前に知っておきたいこととして,養育費の支払い期間,子供との面会について解説します。

 

養育費の支払期間について

毎月ごとに分割で支払うケースがほとんどなので,これを前提として説明します。

支払の始期について

支払の始期については,「離婚した月(又は翌月)から」とするのが一般的ですが,支払い義務者の支払い能力を考慮し,実質的に支払いを開始することができる月を決めて「令和○年○月から」とする例もあります。

支払の終期について

支払の終期については,子が成人に達するのを一区切りと考え「20歳まで」とする例がほとんどです。

ところで,成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする「民法の一部を改正する法律」が2022年4月1日から施行されることに伴い,最近ではこれを先取りして「18歳まで」とする例も見受けられるようになりました。

また,次のように支払の終期を減縮又は延長の取り決めをする例も多くあります。

・ 高等学校を卒業し就職した場合は,高校を卒業する月までとする。

 

・大学校に入学した場合は,大学を卒業する月までとする。

この場合,大学入学後,長きにわたり留年して卒業まで長期間を要することも想定されるため,通常に卒業するまでの年齢を考慮して「満22歳に達した翌年3月までとする」とするケースも見受けられます。

 

一度取り決めた養育費の額や支払い方法等の変更について

養育費は,その時々の子の生活を維持していくのが目的であることにかんがみると,離婚後における親や子に関する事情の変更があれば,これに応じて,その額や支払い方法等を変更することができます。

そのため,離婚協議書や離婚公正証書に「養育費の額や支払い方法等の変更」について,しっかりと取り決めをしておく必要があります。

離婚協議書や離婚公正証書を作成するときは,その内容に,養育費の額を変更できることや,支払方法を変更できることなどを入れておくと,諸事情があったときに,臨機応変に対応できます。

 

再婚と養育費の支払停止(あるいは減額) について

再婚したという理由だけでは,「養育費の支払いをしなくてよい」ということにはならないので,再婚相手の経済力や,その他の事情を踏まえた上で,双方の協議(話し合い)により,再婚に伴う養育費の支払い停止や減額などの措置を明確に講じておくとよいでしょう。

相手が再婚したときは,養育費の支払いについて,どうするのか取り決めておきましょう。

面会交流の拒否と養育費の支払い停止

養育費の支払義務者から「面会を拒否されたら養育費の支払いを停止したい」旨を,逆に養育費を支払ってもらっている者から「養育費を支払わなかったら面会させない」旨を取り決めておきたいと求められること多々あります。

これに対しては,「子の養育費の支払と面会交流のいずれも必要であるから,この2つをリンクして(つなげて)考えることは相当でない」からその要望には応じかねるとして,当事者双方に理解を求めています。

 

子供との面会交流について

 

面会交流とは

面会交流とは,子供と離れている父と母が,子供と定期的に又は継続的に会って話をしたり,一緒に遊んだり,電話をしたりするなどして交流することです。

ところで,別居の親と子との面会交流については,これまで明文の規定はありませんでしたが,平成23年5月の民法の一部改正により協議離婚に際しての取決め事項の1つとして明記され,離婚協議の協議に際しては「子の利益を最も優先して考慮しなければならい」とされた(民法766条)

そこで,面会交流の取り決めをしているかどうかについて「離婚届の末尾欄外にチェック欄」を設けて,それが確認できるようにしています。

この方策については,すでに【離婚する前に知っておきたいこと①】の養育費のところで説明した趣旨と同じですから,もう一度確認しておいてください。

面会交流の取り決め内容について

別居する親の子供との面会交流が,子供の健全な成長のために望ましく,かつ,別居の親による養育費の支払いのための強い動機付けとなることから,面会交流の取り決め内容を下記のように定めるのが一般的です。

「甲(妻)は,乙(夫)に対し,乙(夫)が丙(長男)及び丁(長女)と面会交流することを認める。その具体的な回数,日時,場所,方法等については,子の福祉に十分配慮して,甲乙が協議して定める」

ところで,面会交流の内容や頻度(ひんど)については,子供が安心して面会交流ができるよう,子供の年齢,健康状態,生活状況等に配慮して,できるだけ「無理のないものとしないよう」に取り決めることが大切です。

 

他の面会交流の方法について

面会交流の方法には,通常行っている面会のほかに,電話,メール,LINE,手紙の交換,学校行事等への参加など通常の親子関係の交流方法のすべてにわたります。その取り決め内容の例を示すと,次のとおりです。

甲(妻)は,乙(夫)に対し,乙(夫)と丙(長男)とが互いに,郵便,電話,ファックス,メール等で交流することを認める。

 

甲(妻)は,乙(夫)に対し,乙(夫)が丙(長男)及び丁(長女)の学校行事(入学式,卒業式,参観日等)に参加することを認める。

 

次回は,財産分与について解説いたします。

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